2022-07-24から1日間の記事一覧

ポール・トーマス・アンダーソン『リコリス・ピザ』直線的な移動が象徴するもの

ポール・トーマス・アンダーソン監督による2021年作『リコリス・ピザ』について。広告が主軸としておかれており、この映画で描かれるアメリカにおいては芸能人や商品のPRとして自己増殖していく擬似イベントが根付き切っている。理想がイメージに置き換えら…

エリック・ロメール『シュザンヌの生き方』日常における支配

エリック・ロメール監督による1963年作『シュザンヌの生き方』について。パッとしない主人公がおり、その親友は主人公を自分より下の存在として見下し利用している。しかし、主人公はそれを認めない。利用されているという事実を自分自身からも隠蔽している…

エリック・ロメール『モンソーのパン屋の女の子』決定論と自由意志

エリック・ロメール監督による1963年作『モンソーのパン屋の女の子』について。主人公はルーティンを持っていて、その中でいつもすれ違う女性に対して執着している。その女性が急に現れなくなったことで、その女性を探すための新しいルーティンを作り出す。…

エリック・ロメール『ベレニス』無意識に乗っ取られる理性

エリック・ロメール監督による1954年作『ベレニス』について。変化のない屋敷に壮年期まで住み続けたことで、夢想することによってその屋敷から幻想へと逃避する主人公。その逃避は、屋敷の何かについて偏執的に分析(瞑想)することによって行われる。

『トップガン マーヴェリック』トム・クルーズによる映画製作の継承

ジョセフ・コシンスキー監督による2022年作『トップガン マーヴェリック』について。マーヴェリック=トム・クルーズとしてトップガンに絡む過去の関係性を清算しつつも自身の映画製作を次世代へと継承していく映画となっている。

『ソー:ラブ&サンダー』ヴァイキングと国家 / アイデンティティの再獲得 / 続編に向けて

『ソー:ラブ&サンダー』は何を語ろうとしていたのか。神と人間、そしてローマの神とヴァイキングの神という対比、そしてソー及びアスガルドのアイデンティティの再獲得を軸に、続編がどういう話になるかを含めて書いています。