2023-01-19から1日間の記事一覧

内臓手術的体感 ー 小田香『鉱 ARAGANE』

小田香監督による2015年作『鉱 ARAGANE』について。 『伯林』『カメラを持った男』のような都市映画の形式をもった映画だが、それら映画とは真逆に、機械の運動はリズミカルではなく痙攣的。人間は機械の一部のように同期して動くのではなく、機械に対して外…

死へと向かう西洋 ー マックス・オフュルス『忘れじの面影』

マックス・オフュルス(Max Ophuls)による1948年作『忘れじの面影(Letter from an Unknown Woman)』について。 シュテファン・ツヴァイクの同名小説を原作とした映画。原作において、手紙を読む男は R. という名前で小説家という設定だが、この映画ではピ…

蜃気楼としての過去、砂漠としての未来 / 大いなる存在の介入 ー ジャン・ルノワール『ランジュ氏の犯罪』

ジャン・ルノワール(Jean Renoir)による1936年作『ランジュ氏の犯罪(Le crime de Monsieur Lange)』について。 出版業界の大物バタラは詐欺のような方法で人々から金を巻き上げている。バタラはフリッツ・ラングにとってのドクトル・マブゼのような、悪…

精神性を抜かれたフロンティアスピリット ー ジャン・ルノワール『南部の人』

ジャン・ルノワール(Jean Renoir)による1945年作『南部の人(The Southerner)』について。 精神性を抜かれたフロンティアスピリット 「こいつら嫌いだわー!」って思いながら嫌々撮ってる感が映像から溢れ出してるように感じたけど、どうなんだろう。映画…