2022-04-22から1日間の記事一覧

ホウ・シャオシェン『冬冬の夏休み』映画となる夏休み

ホウ・シャオシェン監督による1985年作『冬冬の夏休み』、そしてホウ・シャオシェンにおける「見ること=映画」という構造について。子供の特徴として、友達間以外では状況に対して何もできないということがある。この映画ではそれがルールとして設定される。…

ホウ・シャオシェン『童年往事 / 時の流れ』映画として主観化される記憶 / 感情

ホウ・シャオシェン監督による1985年作『童年往事 / 時の流れ』について。文字通り時の流れが収められたような映画で、その時の流れに伴い社会が変容し、その影響を受けつつ主人公の家庭も変容していく。そして、主人公自身も変容していく。

ホウ・シャオシェン『風櫃(フンクイ)の少年』映画のように見える日常

ホウ・シャオシェン監督による1983年作『風櫃(フンクイ)の少年』について。 日常を映画のように見る少年たち 主人公である少年が大人になる直前の悪友や片想いの相手、親の家族像をなぞることなどに対する葛藤についての物語であり、モラトリアム映画。そ…

ウェス・アンダーソン『フレンチ・ディスパッチ』人類の星の時間 / 瞬間を記録する映画雑誌

ウェス・アンダーソン監督による2021年作『フレンチ・ディスパッチ』、そのモチーフとなっているだろうシュテファン・ツヴァイク『人類の星の時間』について。大枠は『グランド・ブダペスト・ホテル』と同様に、多様で理想郷的なコミュニティが失われてしま…

キム・ボラ『はちどり』空間的な狭さとその広がり

キム・ボラ監督2018年作『はちどり』について。母、父、兄が演じてきた家父長的な家庭内での役割が家族への葛藤とともにそれぞれ崩れていく。それと平行に、その役割に適合できなかった人も死んでいくし、それを強いてきた社会自体が崩れていくことも、スト…